がん死亡率に地域格差があるのはなぜ?
がん死亡率に地域差があることをご存知でしょうか。実は東北以北のエリアの住民にがん死亡率が高いという調査結果があります。それではがん死亡率がエリアによって違いが出るのはなぜでしょうか。今回はがん死亡率の地域差について見ていきましょう。
がん死亡率が高い東北以降のエリア
がん死亡率についての調査の結果、最も男性の死亡率が高いエリアが青森県の津軽地域であることが分かりました。以下、秋田県の能代山本、青森県の下北、青森県の青森市、北海道の函館市と続きます。女性の死亡率が高いのが北海道の釧路市で、以下、大阪府の大阪市、福岡県の田川市、長崎県の五島市、青森県の津軽エリアと続いています。全体的にがん死亡率が高いのが東北地方以北であることが分かります。東北地方の人々は塩気の強い食事を取る傾向が強いこと、さらに田舎で医療施設が十分でないエリアであることが原因で、死亡率が高いという推測も成り立ちそうです。しかし食文化の違う大阪の大阪市という大都市が含まれていることに注目すると、上記の理由に一貫性はありません。その他にも大きな理由が隠されていそうです。
がんの種類により死亡率に違いがあります
がんには様々な種類があります。また、がんの治療には早期治療が不可欠と言われており、早期発見と早期治療ができるほど、治癒率、生存率は高くなります。
致死率が高いがんに、肺がん、肝臓がん、胆嚢・胆管がん、ひ臓がんなどがあります。このように致死率が高いがんは、早期発見ができるかどうかが、生死を分ける最重要ポイントになります。このようながんを発症したら早期発見が不可欠ですが、そのためには、定期的ながん健診をすることが必要です。正社員として毎年のように定期健診を受けている場合は、がんの早期発見率が高くなります。一方で非正規社員や仕事をしていない人の場合は、がんの早期発見が難しくなるかもしれません。自営業、フリーランス、無職の人が自腹で人間ドックなどに定期的に通うのは、かなり裕福な人に限られるのが現状です。
がん健診を受けるかどうかの差が大きいです
がんの特効薬がみつかっておらず、がん部分を摘出するか、抗がん剤で治療をするしか治療の方法がない現状では、やはり早期発見が治療のための最大のカギになります。発見が遅くなると、他の部位に転移をして取り返しのつかない状況になるかもしれません。繰り返しになりますが、がん検診を始めとする定期的な健康診断をしないとがん死亡率は高くなってしまうでしょう。がん死亡率が高いエリアに住んでいる男女には、がん健診の受診率が低いという因果関係がみつかるかもしれません。そしてそこには経済格差という要因が潜んでいる可能性があります。定期的にがん健診や定期健診をするためには、経済的、時間的、精神的余裕が必要だからです。